椎名林檎と宇多田ヒカル。二人は1998年、東芝EMI(当時)からデビューした同期です。これまで、折々で共演を果たしてきた二人ですが、宇多田ヒカルのアルバム『Fantôme』(2016.9.28release/UNIVERSAL MUSIC)収録の「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」以来となる、最新の共演作がこのたび完成しました。タイトルは「浪漫と算盤」です。
今年5月に5年ぶりのオリジナルアルバム・リリースとなった『三毒史』インタビューで、椎名は「宇多田ヒカルが陽であり自身が陰」と語っています。その想いは この楽曲の海外向けタイトル “The sun&moon” に見出すことが出来ます。

椎名のオールタイム・ベストアルバム『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』にも収録されている「浪漫と算盤 LDN ver.」(洋題:The sun&moon in london)は、作詞、作編曲とベーシックトラックを椎名が手掛け、管弦打楽器の編曲を村田陽一が担当。生ピアノにヒイズミマサユ機、五弦ベースに鳥越啓介というお馴染みのメンバーに加え、アビイ・ロードスタジオでのロンドンフィルハーモニック・オーケストラによる演奏が収められています。

もうひとつのバージョン
「浪漫と算盤 TYO ver.」

このたび、ロンドンレコーディング・バージョンに加え、「浪漫と算盤 TYO ver.」(洋題:The sun&moon in tokyo)が11月25日(月)にリリースとなりました。TYO ver. は、椎名ツアーメンバーとしてお馴染みの、dr.みどりん、bass.鳥越啓介、guitar.名越由貴夫、key.ヒイズミマサユ機による演奏を、写実的に収録したもの。LDN ver.とは趣きの異なるバンドサウンドが、現代のトーキョーの趣を体現しています。

椎名林檎と宇多田ヒカル
「浪漫と算盤 TYO ver.」

11月25日(月) 配信スタート 配信サイトはこちら

「浪漫と算盤」について、
二人からのコメント

<椎名林檎コメント>
 
「浪漫と算盤」制作に当たって
 
 たいへん面白いプログラムでした。ご参加くださった宇多田ヒカル氏はじめ、村田陽一せんせい、演奏家のみなさんへ、改めてお礼申し上げたいです。ありがとうございました。
 
 新たな作品に着手する際、わたしはいつも、なにかしら初めての試みをするようにしております。今回はとにかく、和声から旋律からなにから、いつもみたく扇情的にせぬよう注意深く編みました。ヒカル氏の声の成分がよく馴染む、酸素や水のような曲にしたくて。いつになくまろやかな響きを、味わっていただけますと幸いです。
 言葉についても、本作では少々挑戦しています。或る日ヒカル氏が「それはゆみちん(椎名のこと)ならうまいこと書きそう」などと共通の知人らと話していたらしいテーマが「ロマンとソロバン」でした。半年ほどまえ小耳に挟んで以来「受けて立とうぞ」と力み続けた結果、仕上がったのがこの作品です。唄うのにやや照れました。
 
 なお、二十年間、頑なに「国産採れたて」に拘って参りましたものの、これからさきはもっとのびのび自由奔放に書きたいです。どうぞ今後なお一層、よろしくお願い致します。
 
(などなど現場から愛を込めて…「初めまして」「改めまして」のベスト盤もご用意しました。)

椎名林檎

<宇多田ヒカルコメント>
 
 林檎ちゃんとのデュエットは3回目になりますが、過去のカーペンターズのカバー、私の楽曲に客演していただいたケース、を経て、今回は椎名林檎ワールドどっぷりの新曲とMVに参加できてとても嬉しいです。長丁場のMV撮影の待ち時間も、こんなに楽しく笑って過ごしていいのかというくらい楽しく過ごせて、全てが贅沢な時間でした。これからが楽しみです。

宇多田ヒカル

<椎名林檎と宇多田ヒカル遍歴>

  • 1998年

    東芝EMI(当時)からデビューの同期。椎名林檎シングル「幸福論」(5.27release)、
    宇多田ヒカルシングル「Autmatic/time will tell」(12.9release)

  • 1999年

    東芝EMIコンベンション・ライブ「MUSIC TALKS」(10.7開催)にて、「東芝EMIガールズ」として、
    椎名林檎、宇多田ヒカルによるカーペンターズの「I Won't Last a Day Without You」を披露。
    後に『唄ひ手冥利~其ノ壱~』(2002.5.27release)にレコーディング・バージョンを収録。

  • 2014年

    宇多田ヒカルトリビュートアルバム『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』
    (12.9release)に椎名林檎が参加し、「Letters」をカバー。

  • 2016年

    宇多田ヒカル6thアルバム『Fantôme』(9.28release)にて、
    「二時間だけのバカンスfeaturing 椎名林檎」を収録。

  • 2018年

    椎名林檎トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』(5.27release)に
    宇多田ヒカル&小袋成彬として参加し、「丸ノ内サディスティック」をカバー。

  • 2019年

    椎名林檎ベストアルバム『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』(11.13release)にて、
    椎名林檎と宇多田ヒカル「浪漫と算盤 LDN ver.」を収録。

ミュージックビデオ完成、
公開スタート!

「浪漫と算盤 」のミュージックビデオが完成しました。当初『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』発売日の公開を目指して制作されていたものの、待ち切れない御仁がおられる模様。大幅に前倒しのうえ急ぎ仕上げました。11月1日(金)より公開スタート。公式映像を是非ご覧ください。
約3年ぶりに実現した共演作の映像は、前作「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」に続き、児玉裕一が監督。
児玉氏からは「神々の戯れをどうぞご覧ください」と寄せられています。
配信情報

椎名林檎と宇多田ヒカル「浪漫と算盤 LDN ver.」 2019年11月2日(土)配信
配信サイトは こちら

浪漫と算盤 TYO ver. (The sun&moon in tokyo)
作詞作編曲 椎名林檎
歌唱 椎名林檎と宇多田ヒカル
 
[Tokyo Session for Hikaru Utada]
recording engineer 小森雅仁
assistant engineer 野町真也(Bunkamura Studio)
 
[Tokyo Session for Sheena Ringo]
drums みどりん
wood bass 鳥越啓介
acoustic & electric guitar 名越由貴夫
wurlizter ヒイズミマサユ機
abacus 井上雨迩

recording and mixing engineer 井上雨迩
assistant engineer 鈴木健太(prime sound studio form), 北沢聖士(VICTOR STUDIO), 内野太亮(音響ハウス)

宇多田ヒカル by the courtesy of Sony Music Labels Inc.
みどりん by the courtesy of Victor Entertainment

浪漫と算盤 LDN ver.
作詞作編曲 椎名林檎 管弦打編曲 村田陽一
歌唱 椎名林檎と宇多田ヒカル
 
[London Session]
conductor Robert Ziegler
orchestra LONDON PHILHARMONIC ORCHESTRA
concerto master Kevin Lin

LONDON VOICES
chorus masters Ben Parry and Terry Edwards
recording location Abbey Road Studio, Studio1
recording engineer Simon Rhodes
protools operator Matt Jones
assistant engineer Dan Hayden
 
[Tokyo Session for Hikaru Utada]
recording engineer 小森雅仁
assistant engineer 野町真也(Bunkamura Studio)
 
[Tokyo Session for Sheena Ringo]
piano ヒイズミマサユ機
electric bass 鳥越啓介
programming 椎名林檎
recording & mixing engineer 井上雨迩
assistant engineer 鈴木健太(prime sound studio), 内野太亮(音響ハウス)